成城エリア - 成城5
成城6丁目
成城学園前駅北口。明治の末ごろまでは、駅周辺は一面が畑や雑木林であった。地主の中には、何の収入もない土地を持っていても税金を払うだけ損だとして、神奈川県長尾(現:川崎市多摩区長尾)の地主のもとへ酒を持っていき、土地を買ってもらった者がいたという話も残されている。駅を置く理由もなさそうなこの地に駅ができ、現在のような景観をみせるようになったののは、小田急電鉄の開通に先立って成城学園が開設され、学園の要望に添って学園前に駅を設置する約束が交わされたことによる。それまでの小田急側の計画では、現在の駅より東の、旧成城警察署付近に駅ができることになっていた。
村田永楽店はテナントになっているが健在のようだ。石井食料品店はのちに「成城石井」という高級スーパーマーケットの前身(ローソンにより買収)。砧生協ストアー辺りは現在バスターミナルになっている。この辺りは「ニッポン無責任野郎」などの映画やドラマのロケに使われることが多い。>>詳細ページ
映画から
クレイジー映画以前の江利チエミ主演「サザエさんの青春」(昭和32年12月28日公開)にも成城の町が出てくる。40年余り続けていたが惜しまれながら閉店した、7番地にあった「レストラン ネバ」はとんねるずの木梨憲武も愛した場所。昭和32年当時は「Foreign Goods Neba」という洋品店だったようだ。
東宝映画「沈丁花」(昭和41年10月1日公開)にも当時の6丁目の様子が伺える。ニッポン無責任野郎(昭和37年公開)のときは、単店舗だった「成城パン(東京堂パン)」は4年後のこの映画では1階に喫茶店、2階にはレストラン、3階には会席料理もある複合ビル「成城パンビル」になっていた。その成城パンビルは半世紀以上たった今も健在。
同場所は気になる嫁さんにも少し映る。白輪自転車店も健在。
その後、主演の京マチ子が美容院から出てくるシーンは13番地にあった「美容院 成城」。ちなみにTVドラマ「太陽にほえろ!」70話(昭和48年11月16日放送)にも扉は変わっているが同美容院が出てくる。ここでは隣の「カメラのカスガ堂」も確認できた。現在は衣料品店や雑貨店が入るビル。
次のシーンでは反対方向の6番地を歩くシーンになっていた。ここでは怪奇大作戦で欠番になっている、24話「狂鬼人間」にも出てくる「洋装店 るそれいゆ」が確認できる。
高級住宅街の代名詞の成城。文学者、芸術家、俳優や映画監督らの住居も多い。住宅地図では基本的に苗字のみの表記がほとんどなので実際は有名人の住居はもっと多いはずであろう。
今でも現役の成城学園の正門前に店を構える「成城堂書店」。成城に住む文豪たちも通ったという。せたがや百景に選ばれている「いちょう並木」も美しい。
成城の桜並木は、「せたがや百景」にも選ばれた世田谷屈指の桜スポット。樹齢70年を越す樹木の見事な枝ぶりは、春になると桜色のトンネルに姿を変える。この時期の「成城さくらフェスティバル」では、甘酒やお茶がふるまわれ、苗木の配布などもあり、賑わいを見せる。