世田谷世田谷今昔物語

等々力エリア - 上野毛(かみのげ)1

「野毛」の由来は、アイヌ語で崖(あるいは家の棟)のことをいう「ノッケ」からきたといわれている。たしかにこの地は小高くなっていて、多摩川を越えた川崎側からは崖が見える。上野毛は、この野毛の上という意味だが、武蔵野地方では京都の朝廷に近い順に上、中、下と呼んだ。多摩川の川崎側には下野毛という地域がある。昔、ここは野毛の飛び地だった。ここには昭和40年頃まで「野毛の渡し」があって、下野毛から野毛の農地に通う人を舟で運んでいたが、農地が消えて渡しもなくなった。上野毛や野毛の崖の下を丸子川が流れている。

上野毛1丁目

上野毛駅住宅地図
上野毛駅

昔の上野毛駅は民家や商店街がにぎわう庶民的な雰囲気も今や周辺にビルが立ち並ぶ都会的な駅に。わずかながら現存する商店もある。線路のある掘割をまたぐように「不動橋」という橋がかかり、橋の上を路線バスも行き交う公道が通る。この道路の両側に新舎と旧舎があり、両側をまたぐ大きな屋根が独創的な上野毛駅は、2011年に建築家・安藤忠雄氏が設計した。

上野毛2丁目

ドラマから

上野毛2丁目5住宅地図
おひかえあそばせ

日本テレビ系列で1971年に放送された「おひかえあそばせ」第12話(昭和46年9月15日放送)でカメラマンの小早川(石立鉄男)が環八の中央分離帯で撮影している場面で、現:5番地の商店街が映り込む。富士見屋や村田精肉店は無くなっているが「八百丸」は現在も同地で営業を続けている。


上野毛2-7住宅地図
青柳菓子店

環八沿いにある7番地の商店街。青柳菓子店が現役か不明だ。


上野毛公園住宅地図
上野毛公園

覚願寺の下、上野毛自然公園は当時はまだ整備されていなかったのか。現在は国分寺崖線の地形を生かした、立体的な公園。高低差のある土地にこんもりと豊かな木々が茂っており、その間を縫うように階段が設置されている。まるで、山の頂上から見下ろすかのような雰囲気だ。高台の桜は花見の名所。


上野毛2-24住宅地図

多摩川寄りの地域。当時は玉川町。現24番地にある日本菓子専門学校は昭和35年に開校。東急自動車学校の建設前だったが、現在は自動車学校もその役目を終え、2014年に二子玉川公園となった。それ以前は大正14年、玉川第二遊園地に隣接して玉川プールが完成。翌々年にはテニスコートも完成したが戦中に休止。

このページのtopへ